ロック・ギタリスト伝説

ルーツがあやふやな時代だな、と思う。 どの分野でも似たような状況なのかもしれないが。特に音楽界。ロックを含むホップ音楽の歩みを振り返ってみると、別年代以降、ヒップホップの誕生を最後に、もはや本来的な意味での。オリジナルな音楽なんてどこにも見当たらなくなってしまったような気さえする。そういえば、スティーリー・ダンの中心メンバー、ドナルドーフェイゲッも、レゲエ以来、彼にとって新鮮な新しい音楽はないと断言していたっけ。 今、この21世紀。シーツには、過去の様々な音楽的遺産を順列組み合わせ的にリミックスしただけの複製音楽がずいぷんとたくさん流通している。コピーの時代。拡散の時代。仕方ないか。ティーンエイジャーのやり場のないフラストレーションの発露として新種の若者音楽。ロックンロールが爆発して以来すでに50年以上。ドントートラストーオーヴァー・サーティ……30歳以上を信じるな。そんな乱暴な能書きを旗頭にしていたロック自体、30歳どころでなく、50歳を軽く超えてしまったのだ。となれば少しくらいの動脈硬化、今さら何の不思議もない。 長いような短いような50年という歳月。その問に何世代ものミュージシャンが折り重なるように登場しては、前の世代が作り上げた音楽的遺産を自分なりに継承し、あるいはそれらに反発し、超越しながら、新しい音楽をクリエイトしてきた。が、そうした積み重ねの中で多くが抽象化していった。オリジナルが持っていたはずの確信に満ちた力強さはどんどん水増しされ、レアな輝きもくすみ、虚飾ばかりが前面に押し立てられていく。もちろん、すべてがそんなふうに図式的に進行したわけではないものの。今や音楽界でも資源の二次利用、三次利用は当たり前。オリジナリティという言葉も10年前、20年前と同じ文脈では機能しえない。そんな時代になってしまったのは事実。まさに迷いの時期。

 

 

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